十月十色

Do or Don't --- that is a question。子育てとか、家事とか、読書とか。

「詩」って何だろう、から学んだ詩の3要素

谷川俊太郎さんの絵本をまとめて借りようとしていたら、詩集が一緒に置いてあったので借りてきました。


何気なく音読していたら、娘から「何読んでるの?」と聞かれたので「詩だよ」と答えたら「“し”って何?」と聞かれたので調べてみることに。

図書館で何かよさげな本ないかなあ、と探していたときに見つけたのがこれ。

詩への道しるべ (ちくまプリマー新書)

詩への道しるべ (ちくまプリマー新書)

パラパラめくっておもしろそうだったのでこの本を読んでみることにしました。


詩は多種多様なもの

詩とは何か、という本質論はとても厄介です。あるドイツの学者はあれこれ議論を書き並べたあげく、「けっきょく〈文章を行に分けて書いてあるものが詩だ〉としか言えない」と言っていましたが、この最小限の定義も、世の中には散文詩というものがあるので、たちまち破綻してしまいます。(『詩への道しるべ (ちくまプリマー新書)』より:以下出典同じ)

その後も詩について書いてはあるものの、結局よく分かりませんでした。

ただ、詩の基本的要素についての章がおもしろくて、言葉の発達を考えていくときにも役立ちそうだったので取り上げてみます。



詩の三要素:イメージ、音の響き、考え(思想)

詩は、おおざっぱに言って三つの要素で成り立っています。イメージ、音の響き、考え(思想)です。
詩の三要素は決して切り離すことのできないものなのですが、しかしまた大抵の詩にあっては、その三つの要素がみな同じ力を持っていることは稀で、多くはそのうちのどれか一つが中心的、主導的な役割を果たしています。
この3要素に加えて、ひらがな・カタカナ・漢字の表記使い分けによっても詩の効果が変わってくるとあります。

言葉を育てていくときに、イメージと考え(思想)については意識的だったものの、音の響きや表記については無意識だったな、と反省。


詩を気軽に楽しめる本です

著者は、大学で「詩を読む」講義をやっていた方だそうで。詩の歴史に始まり、多様な詩を紹介しつつ詩の味わい方を紹介してくれるので、何も知らずとも詩を楽しめます。詩をテーマ毎に読んでいくのもおもしろい。

一番響いたのは、詩を、詩が書かれた背景から切り離して味わう著者の基本姿勢。私もそうして読むほうが好きだけど、「書かれた背景や書き手の人生を知らないと詩は味わえない」という固定観念を持っていました。それを取り払って気楽に向きあっていいんだと思えてラクになっています。

そういえば後から気づいたのですが、「詩とは何か」のような定義を聞く質問なら辞書や事典で調べるところからスタートすればよかったかな。子ども向け百科事典買おうっと!

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